猫的癌症
猫の悪性リンパ腫 ― 特徴、治療法、改善のヒント
猫のリンパ腫とは
猫に発生するリンパ腫とは血液由来のリンパ球が腫瘍化したものです。
リンパ腫は全身に発生する可能性のあるがんで、主に体の中にあるリンパ節から発生しますが、臓器から発生することもあります。
リンパ腫には他の悪性腫瘍のように塊(しこり)を作って進行するタイプもあればリンパ腫は塊(しこり)を作らず進行するものもあります。
ご愛猫がリンパ腫を患ってしまったとしても、取り組み次第で「猫ちゃんがネコちゃんらしく過ごしていくこともできる」という事を是非とも知っていただきたいと思っています。
ご愛猫が悪性リンパ腫を患ってしまいこれから治療を受ける方、治療中の方、もう治療を続けられないと言われてしまった方、全ての方のご参考になれれば幸いです。
犬と猫との違いについて
⇒犬の悪性リンパ腫について-原因、症状、治療、改善のヒント
ご愛猫が悪性リンパ腫になってしまった方へ
ご愛猫がリンパ腫を患ってしまったとしても、取り組み次第で「ネコちゃんがネコちゃんらしく過ごしていくこともできる」という事を是非とも知っていただきたいと思っています。
ご愛猫が悪性リンパ腫を患ってしまいこれから治療を受ける方、治療中の方、もう治療を続けられないと言われてしまった方、全ての方のご参考になれれば幸いです。
猫のリンパ腫の発生原因-猫の悪性リンパ腫
猫の悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化してしまう非常に厄介な病気です。発症には免疫の異常が関わると考えられ、猫白血病ウイルスに感染している猫、特に若年の感染猫は非常に高い確率で発症します。猫白血病ウイルスほどではないですが猫エイズウイルス感染の猫もお気をつけ下さい。
猫の悪性リンパ腫は治癒するか
残念ながら一般的に行われている治療では猫のリンパ腫のほとんどは治癒しないと言われています。若年の猫のリンパ腫であればさらに厳しくなります。しかし治せなくてもQOL(生活の質)を保ちながら癌と共存したり、大幅に延命することはできると思います。ご愛猫がリンパ腫と診断されてしまったり、たとえ余命宣告を受けてしまったとしても諦めず今から猫ちゃんの予後を改善するための取り組みを始めて頂きたいと思います。
一般的には抗がん剤やステロイドを使った薬物治療(化学療法)で寛解を目指します。代替療法やサプリメントで寛解に持ち込めることもあります。※寛解については後述します。
寛解したとき、抗癌剤治療を続けるのか、それとも打ち切るのかを決断することになります。しかしいずれにしても多くのリンパ腫は再発してしまいます。
猫のための治療だということを忘れずに-猫の悪性リンパ腫
抗癌剤治療の副作用を軽視することはできません。治療を続けることばかりを考えてしまい猫の体力の限界を超えるようなことにならないよう細心の注意が必要です。どうか飼い主の皆様には抗がん剤治療中のご愛猫の体調変化を見逃さないようにして頂きたいと思います。
薬物治療だけに頼っていると、ほとんどのケースでいずれ体力切れ・免疫切れが起こってしまい長期の寛解(長い間良い状態)を得ることは難しくなってしまいます。ご愛猫に今以上の負担をかけずに抗がん剤との相乗的効果を狙ったり副作用を軽減させるために是非ともサプリメントや食事療法を積極的に取り入れて頂きたいと思います。
リンパ腫治療の主役はご愛猫であり飼い主様です。動物病院に治療の全てを任せてしまうのではなく上手に動物病院を利用してください。
「リンパ腫になったら体力が無くなって治療ができるまでガンガン抗癌剤治療をやる」という動物病院もありますし「ネコちゃんの体調を第一に考えて必要最小限の治療を行う」という考えの獣医師もいます。
様々な考えの動物病院がありますから、飼い主様の考え・希望にあった動物病院をお選びいただいた方が宜しいと思います。お近くに弊社とお付き合いのある動物病院があればご紹介することもできますのでお問い合わせください。
動物病院での治療と並行してご自宅でも積極的に良い取り組みを行って頂きたいと思います。ご自宅でできる取り組みについては後述いたしますので参考にしていただきたいと思います。
リンパ腫における「寛解」とは
寛解(かんかい)とは、検査でがん細胞が見つからなくなった状態です。リンパ腫の治療では寛解を目指すことが第一の目標となります。
寛解になると体調が明らかに改善し、猫は以前の元気を取り戻します。しかし残念ながら、寛解状態はたいてい半年も持続しません。ほぼ確実に再発してしまうのです。
ここが「寛解」と「治癒」のまったく異なる点です。
寛解になりがん細胞は見つからなくなったはずなのに、どうして再発してしまうのか?実はがん細胞は消えたのではなく体のどこかに隠れており、再び暴れだす機会を待っているのです。
治療前。肺に多数の影。
治療後。影が消えている。
ネコのリンパ腫が抗癌剤治療で寛解になった後に再び増大(大きく)なってしまった場合、リンパ腫は薬剤耐性のために初回の治療と比較すると抗癌剤が効きにくくなってしまいます。
ですから寛解に持ち込めた場合は、リンパ腫が再び進行しないように猫ちゃんの免疫を整え・栄養を考え癌が成長しずらくなるような環境づくりをした方が良いと思います。
猫の悪性リンパ腫の分類と症状
悪性リンパ腫の分類-猫の悪性リンパ腫
リンパ腫は腫瘍(がん細胞の塊)がどこにあるかによって分類します。
悪性リンパ腫には、その部位によって、
の5つに分類されます。
分類は予後(今後どのように悪くなっていくか)をあるていど予測するためには役立ちますが、現時点で分類ごとに特別な治療があるわけではありません。
がん化したリンパ球のタイプから分類することもあります。
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リンパ腫の症状-猫の悪性リンパ腫
体表のしこり、元気や食欲の低下、呼吸が速くなる、などの症状が現れ、進行とともに悪化していきます。
猫に多い縦隔型(胸腺型)リンパ腫では咳や胸水がみられます。徐々に呼吸困難がひどくなり酸素不足の状態になっていきます。ペット用の酸素室(酸素ルーム)があると、猫の苦しさを軽減できます。レンタルも可能ですから動物病院で相談してみるか、もしくは直接業者に問い合わせされてみてはいかがでしょうか。
症状だけでリンパ腫だと断定することは難しいですが、複数のリンパ節が腫れていたり、呼吸の乱れがだんだんひどくなるようなときは感染症の疑いもありますがリンパ腫の疑いもありますので早めに検査を受けることをお勧めします。
猫のリンパ腫の検査・診断
リンパ腫の診断は非常に重要です。なぜならば、もし他の病気をリンパ腫だと誤診して抗がん剤治療を開始すれば、猫の健康を害し寿命を縮めます。多くの抗癌剤には発がん作用があります。ショックを起こすと最悪の場合は猫の命を奪う可能性すらあります。リンパ腫の診断は確実なものでなくてはなりません。
リンパ腫の確実な診断方法だとされているのは次の2つです。
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これらの検査で、腫瘍内に異常なリンパ球(リンパ腫細胞)があることを確認し、確定診断とします。
他には以下のような検査もあります。
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これらの検査は、もしかしてリンパ腫かもしれないと当たりをつけたり 、薬物治療が効いているのかの判断材料にしたり、薬物治療の副作用がどの程度出ているのか判断したり、余命を予測するために行われます。
検査を受けることでなんとなく安心するという飼い主様は少なくありませんが、検査を何回受けても猫ちゃんの体調が改善するわけではありません。検査は猫に負担をかけるということも忘れないで下さい。
もちろん症状の緩和処置前に実施する検査、例えば胸水を抜く前に胸水の溜まり具合をみるといった検査は有用です。
獣医師から「検査をしましょう」と言われた時には、何の為の検査なのか、必要な検査なのか、検査をするデメリットは無いのかを確認されることをお勧めします。
猫のリンパ腫で一般的な治療
リンパ腫では症状を緩和する目的で行う手術以外は一般に外科手術で治療をする事はありません。全身にがん細胞が広がるリンパ腫では無理に腫瘍を切除しても延命を期待できないためです。
猫のリンパ腫で以前から行われている治療は抗がん剤やステロイドを投与する薬物療法(=化学療法)です。実際のところ薬物療法以外には選択肢がなく、今でもスタンダードな治療とされています。
抗がん剤は猫へのダメージが大きいぶん、短時間でリンパ腫細胞を減少させます。うまく使っていけば強力な武器になります。
通常の化学療法では複数の抗がん剤を同時にもしくはタイミングをずらして投与します。複数の抗がん剤を使う理由は、主に次の2点です。
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リンパ腫は抗がん剤が最も効きやすいがん種の一つです。ですから多くの動物病院が薬物療法を勧めてくると思います。
抗がん剤治療が大成功となれば、寛解状態にまで持ち込むことができます。 寛解すれば体調が改善して、病気だったことを忘れさせるくらい元気になることもあります。もちろん抗がん剤のダメージが残り、以前ほど元気にならない猫もいます。
しかしせっかく元気になっても寛解後の再発は珍しいことでありません。むしろほとんどの猫が数週間から数カ月で再発してしまいます。
再発してしまったリンパ腫はそれまでに行った薬物に対して耐性を持ってしまっています。そのため再発後にどんなに強力な抗がん剤を行っても治療効果は限定的になりがちです。最初は抗癌剤が効いたのに抗癌剤が効かなくなってしまうことは珍しくないのです。
効果がなくなった抗癌剤治療を続けることは何一つメリットがありません。
後になってから薬物治療の実際を知り、自分の選択を悔やむようなことがないように「抗癌剤治療は副作用があること」「抗癌剤の効果は一時的であること」「薬剤耐性になってしまえば抗癌剤治療を続けても治療効果は得られないこと」をよく理解したうえで、治療を継続するか中止するかの検討をして頂きたいと思います。
動物用抗がん剤について
<抗がん剤のプロトコール・種類について>
リンパ腫は比較的抗がん剤が功を奏することが多い腫瘍ですが、プロトコールをすべて終わらせることに焦点を合わせてしまうと、副作用に気付かなかったり、重篤な副作用が出ているにもかかわらず治療を続けてしまうことで、命を縮めてしまっている子も少なくない印象です。
『人間みたいに強い副作用はないから』と仰る先生もいらっしゃいますが、ワンちゃん・ネコちゃんは話すことが出来ないので、ちょっとした不調を訴えて来ても気付いてあげられない場合もあります。
また、動物さんは本能で『弱いところは見せない=自然界では食べられてしまう)』という思考があるため、耐えられる症状は隠してしまっていることもあります。
抗がん剤の副作用は、投与後3~4日に強く現れることが多いため、食欲や動き(起きている時間やお散歩での体力など)に少しでも変化がないかどうか見てあげてください。
抗がん剤のプロトコールで使用する薬剤や、その他の抗がん剤の種類については、別ページにまとめましたので、こちらをご覧ください。
リンパ腫治療で後悔しないために-猫の悪性リンパ腫
薬物治療だけで猫のリンパ腫を抑えられないのは何故でしょうか。
抗がん剤を使っても猫リンパ腫の原因である猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスをまったく叩けません。それどころか抗がん剤の副作用で免疫低下が起こってしまいます。ウイルスがさらに活性化してしまうためリンパ腫を抑えられないのです。
既存のリンパ腫治療では、免疫力や自己治癒力を利用するといった考え方は軽視されます。がん細胞を少なくすることに囚われすぎており、免疫力を思いやるどころか、免疫がズタズタになっても抗がん剤治療を優先するケースが散見されます。これでは良い治療成績が得られるとはとても思えません。
弊社は猫のリンパ腫をなんとしても抑えこみたいと本気で考えています。免疫力は当然のこと、体力、食事、栄養、接し方、環境など、すべてが大事だと考えています。多方向からのアプローチこそがリンパ腫を抑えるカギであり、抗がん剤やステロイドはそのアプローチのひとつにすぎないと考えています。
弊社がこのように考えるようになったのは、飼い主様や、リンパ腫を多く治療し一定の成果をあげている獣医師からたくさんの話を聞いてきた結果です。そしてコルディの反応性を見てきた結果です。薬物治療だけに頼った治療はお勧めできません。
さまざまな治療の「いいとこ取り」にリンパ腫の長期間抑制の可能性があります。いきなりダメージの強い薬物治療に全てを賭けてしまうのではなく、体力づくり、免疫づくり、生活環境の見直しを同時に行ってみてはいかがでしょうか。
リンパ腫治療にコルディを併用するメリット
リンパ腫の治療の多方向からのアプローチのひとつとしてサプリメント治療、すなわち弊社のコルディM/コルディGをプラスすることもご検討ください。
※リンパ腫には特にコルディG、コルディフローラ[低アレルギー]がお勧めです
コルディを使用し猫の腹腔内悪性リンパ腫(猫の悪性リンパ腫)が消えた使用例もあります。
グリセリン、ショ糖、乳糖、デキストリンなどの防腐剤、矯味剤、賦形剤の類を添加していませんので、継続使用や予防で使用するときもそれら添加物の影響を気にする必要がありません。
・抗がん剤、ステロイド剤との併用が可能です。 ・化学療法の効果を高めることが期待できます。 ・化学療法による食欲低下、元気低下の軽減が期待できます。 ・化学療法による免疫低下の軽減が期待できます。 ・体力がなく化学療法ができない場合でも与えられます。 |
コルディをお勧めします
弊社のコルディM/コルディG/コルディフローラはワンちゃん、ネコちゃんの免疫を整え病状のの改善を目指し開発されたサプリメントです。
猫の悪性リンパ腫の長期生存例、改善例が報告されています。
ご愛猫が悪性リンパ腫と診断されたら、コルディの使用をご検討ください。
コルディのお問い合わせ、ご注文はこちらから
お時間のある方は、犬・猫が抗癌剤治療を受けた時にご家族に気をつ受けて頂きたい事をまとめたこちらの記事もご参照ください。
抗癌剤の微量被曝-ペットの治療で、家族が病気になるかもしれません
治療を通して取り組んで頂きたいこと
猫の悪性リンパ腫は厳しい病気です。低分化型、高分化型、B細胞性、T細胞性と分類の違いはあれども、いずれも難治性のがんです。
抗がん剤治療が有効だと言われていますが、飼い主様の話を聞いていると悪性リンパ腫の抗癌剤治療で著効し長い間元気に過ごせている猫は限られているようです。高齢である、体力がない、合併症がある、など様々な要因により思った効果が得られなくなるためと思われます。
体力がないのに無理やり実施して、副作用のために治療をリタイアするケースも少なくありません。ネコは人間ほど副作用が出ないなどと言われますが、それもどうかと思います。猫は喋れないため、吐き気やめまい、しびれなどを訴えることができません。また猫の血液検査値の正常範囲のあいまいさも副作用を少なく見せているかもしれません。
抗がん剤治療の効果を高めつつ、副作用を軽減させるためにコルディをご使用いただく事をお勧めします。本来猫に備わっている免疫力や自然治癒力を高めQOL(生活の質)を維持できる可能性が高まります。
若い猫が抗癌剤の副作用に耐えやすいのは、体力や免疫力に余力があるからです。高齢兼ではそうはいきません。
「無治療なら余命は1~2ヶ月」と言われると、つい獣医師にゆだねるしかないと考えてしまいがちですが、飼い主様の取り組みこそが重要なのです。飼い主様の取り組みは治療効果を大きく左右し、予後に影響を与えると思います。
「抗癌剤治療を受ければ半年、受けなければ1~2ヶ月」と言われたら、それは抗癌剤が良く効いて、副作用も少なかった時に限る話です。
抗癌剤治療を受ければ必ず延命できるのか、副作用で元気がなくなってしまう事は無いのか、効果は必ず得られるのかなど獣医師に確認されてみることをお勧めします。
抗がん剤治療を開始すれば体力・免疫力はほぼ確実に低下してしまいますので、その対策は考えたほうが良いと思います。まずは良い食事を与え、副作用で治療をリタイアしないための体力をつけてください。そして免疫を落とさないようにしてください。
本来は免疫力ががん抑止の主役であり、実は抗がん剤はその補助にすぎないのです。免疫対策に代替療法やサプリメント(コルディ)を検討してください。
さまざまな治療の「いいとこ取り」に可能性があるのです。抗がん剤一本槍では明らかに力不足です。それを補完する治療を組み合わせていくことが大切だと思います。