犬的癌症

犬のリンパ腫ー原因、症状、治療、改善のヒント

犬のリンパ腫の治療では、犬の身体に大きな負担をかけてしまったことで状態が悪くなってしまい、ご愛犬に治療を受けさせたことを後悔したり、罪悪感でつらい思いをしてしまう飼い主様が大勢います。そのような飼い主様が一人でも減って欲しい、治療のことをよく知り納得したうえでご愛犬にとってプラスになる治療を受けさせて欲しい、という思いでこのページを作成いたしました。たとえご愛犬が末期のリンパ腫でも取り組み次第で予後の改善は可能です。以下を参考にしてください。

犬のリンパ腫とは

体を異物の侵入から守る免疫を担当している血液由来の細胞の1つでもある。リンパ球
このリンパ球が腫瘍化=癌化したものが『リンパ腫』であり、『悪性リンパ腫』と呼ばれることもあります。

犬に発生するリンパ腫は悪性腫瘍の一種で、しこりとして発生することもあれば、しこりを作らずに進行していくこともあります。

犬に発生する癌のなかでは、比較的多く見られる悪性の腫瘍で、リンパ節、胸腺、消化器など、リンパ球が集まりやすい部位で発生が見られやすいですが、リンパ球は全身を循環するため、様々な臓器に浸潤していきます。

一般的に、無治療の場合の余命は1~2ヶ月、治療で効果が見られた場合には1~2年ほど延命出来る場合があると獣医師から説明を受けることが多いようです。

確かにリンパ腫は難治性の病気ですが、弊社のコルディをお飲みいただき長期に元気食欲を維持できているケースも少なくありません。

犬のリンパ腫は全身に発生する可能性のあるがんで、主に体の中にあるリンパ節から発生しますが、臓器から発生することもあります。
犬のリンパ腫には他の悪性腫瘍のように塊(しこり)を作って進行するタイプもあればリンパ腫は塊(しこり)を作らず進行するものもあります。

犬のリンパ腫の概要

犬の悪性リンパ腫・リンパ腫は「血液のがん」に分類される、全身性のがんです。犬がリンパ腫を患ったときの致死率は極めて高く、現在の獣医療では不治の病と考えられています。

犬のリンパ腫には悪性度の高いものから、悪性度の低いものまで様々な種類があります。

犬のリンパ腫細胞(がん化したリンパ球:白血球の一種)は一箇所にとどまりません。増殖しながら犬の体中に広がって行きます。転移というよりも、はじめから拡散する性質を持ったがん種です。

リンパ腫は進行とともに犬の体力を奪い、肺を侵したり、ときには塊を作って腸閉塞を起こし、犬の生命を奪っていきます。一般的に進行は速めです。

一般的に、無治療の場合の余命は1~2ヶ月治療で効果が見られた場合には1~2年ほど延命出来る場合があります。

どの犬種でも、何歳であっても発症する可能性がありますが、やはり高齢犬に多く、ゴールデンレトリバーは特に多いと感じます。

なお悪性リンパ腫の治療法はほぼ確立していて、概ねマニュアル化されています。
※「治療法が確立している=治る」ではありません

メインの治療は抗がん剤による薬物治療です。抗がん剤に加えてステロイド剤を用いることもあります。治療がうまくいけば、寛解する可能性があります。しかしながら寛解は一時的で、ほとんどの犬は再発してしまいます。そして再発後の治療はかなり困難なものになります。

犬のリンパ腫の治療では、まずはなんとしても寛解に持ち込むこと。そしてなんとかして再発を防ぎ、寛解を長引かせること。これらが目標となります。

つまり一般的に施されている犬の悪性リンパ腫の治療は「治癒」が目標ではなく最初から「延命」を目標にしています。

寛解とは
寛解(かんかい)とは、検査でがん細胞が見つからなくなった状態です。体調が明らかに改善し、犬は以前の元気を取り戻します。まるで治ってしまったかのようです。 しかし寛解は「治癒」とは異なります。がん細胞(リンパ腫細胞)は消え去ったのではなく、体のあちこちで身を潜めています。そのためいつか再発のときが訪れます。 早ければ数週間から1年以内に再発してしまう事が多いようです。

犬のリンパ腫の種類

犬に発生するリンパ腫には、その部位によって分類することができます。

多中心型(頻度:80%)-犬のリンパ腫

体表にあるリンパ節が腫大するのが特徴なのが多中心型リンパ腫です。
主に、あごの下(下顎リンパ節)、首(浅頸リンパ節)、脇の下(腋窩リンパ節)、膝の裏(膝下リンパ節)のリンパ節が腫れます。

ご愛犬の体表にコリコリした塊・シコリが気が付いたら、リンパ腫の可能性もありますので早めに獣医師の診察を受けていただく事をお勧めします。

消化器型(頻度:5~7%)-犬のリンパ腫

消化器や、消化器に付随するリンパ節が腫大するのが特徴なのが消化器型リンパ腫です。
下痢や嘔吐、血便など、一般的な消化器症状と類似します。

もし、ご愛犬に下痢や嘔吐、食欲不振が数日間みられたり、急激な体重減少などに気が付きましたら消化器型のリンパ腫の可能性がありますので、動物病院を受診ください。

胸腺型(縦隔型)(頻度:5%)-犬のリンパ腫

心臓近くに存在する胸腺や、縦隔と呼ばれる左右の肺の間の部分に出来るリンパ腫が胸腺型(縦隔型)リンパ腫です。縦隔型リンパ腫と言われることもあります。
胸の中を圧迫するので、呼吸器症状がみられます。

普段より呼吸が早くなったり、咳をするなどの症状が続くようでしたら胸腺型のリンパ腫を患った可能性もありますので、早めに動物病院を受診ください。

皮膚型(頻度:まれ)-犬のリンパ腫

皮膚や口腔粘膜(口の中)に病変が見られるリンパ腫が、皮膚型リンパ腫です。
発赤や脱毛、丘疹など、一般的な皮膚炎と似たような症状が見られますが、発生は稀です。

発生は稀とは言え、もしリンパ腫だった場合は早期の治療が望ましいので、早めに診察を受けていただく事をお勧めします。

節外型(頻度:まれ)-犬のリンパ腫

目、中枢神経系、腎臓などに出来るリンパ腫が節外型リンパ腫です。
出来る部位によって症状も変わります。

腹腔内リンパ腫-犬のリンパ腫

上記の分類とは別ですが、動物病院で腹腔内リンパ腫とか腹腔内にリンパ腫ができたと言われることがあるかもしれません。犬の腹腔の内側にある肝臓や脾臓、腸間膜、腸などにリンパ腫ができたときに、腹腔内リンパ腫が見つかったと説明を受けるかもしれません。

腹腔内(ふくくうない)とは横隔膜より下の内臓が治まっている部分をいいます。
この腹腔内に出来るリンパ腫の総称を『腹腔内リンパ腫』と呼ぶことがあります。

内臓にできるリンパ腫なので、できた部位により消化器症状を呈したり、元気食欲がなくなったりします。

免疫細胞の種類による分類-犬のリンパ腫

リンパ球は、T細胞とB細胞の2つに分類されるため、犬のリンパ腫も腫瘍化したリンパ球の種類によってT細胞性リンパ腫B細胞性リンパ腫に分類することが出来ます。
T細胞性リンパ腫は進行は遅いものの抗がん剤が効きにくく、B細胞性リンパ腫は進行性は早いが抗がん剤も効果が見られやすいのが特徴です。

悪性度による分類-犬のリンパ腫

犬に発症したリンパ腫の悪性度によって、高グレード型(高悪性度・低分化型)低グレード型(低悪性度・高分化型)に分けられます。

高グレード型(高悪性度・低分化型)は極めて進行が速いのですが、一時的に抗癌剤が効いて腫瘍が縮小するケースも珍しくありません。
高グレード型(高悪性度・低分化型)では多剤併用療法といって、複数の強力な抗癌剤を併用して使用することもあります。

抗癌剤の反応は良いので一時的に寛解(見た目も検査でも健康と変わりない状態に回復すること)がありますが、いずれ薬剤耐性となってしまい抗癌剤が効かなくなります。
寛解後に腫瘍が増大した場合の予後は厳しいことが予想されます。

一方の低グレード型(低悪性度・高分化型)は進行の遅いタイプのリンパ腫で、特別な治療をせずとも長生きすることがあります。
また化学量療法(抗癌剤治療)を行う場合も単剤(一種類の抗癌剤)を様子を見ながら休み休み長期間使える可能性があります。

重症度による分類-犬のリンパ腫

ステージが高いほど、予後が悪い=余命が短いと言われています。
ステージはリンパ節への浸潤度合いにより全部で5つにわかれますが、全身症状の有無によってサブステージa(症状なし)/b(症状あり)に分類されます。

犬のリンパ腫の症状

犬のリンパ腫の初期症状

犬が悪性リンパ腫を患ったとしても、初期のころは目立った体調変化はありません。ただ犬の体表近くのリンパ節でリンパ腫細胞が増殖し、腫れてくるため皮膚にシコリが現れてくるかもしれません。

犬の首や脚の付け根のリンパ節が腫れてくることがよくあります。触れれば硬いしこりを感じるかもしれません。普段のスキンシップで固いしこりに触れ気が付いた飼い主様もいらっしゃいます。

しかし実際のところ、初期段階で飼い主様がご愛犬の悪性リンパ腫を発見することは困難です。定期健診や他の病気の診察中に獣医師が異変に気付き、念のための検査で発見されるというケースがほとんどです。トリマーに指摘されたのをきっかけにわかることもあります。

また、消化器型リンパ腫や縦隔型リンパ腫のように、犬の体内に出来るタイプのリンパ腫の場合には、普段の生活で『しこり』として触ることがほとんどありません。

この場合には、ご愛犬の食欲不振や嘔吐・下痢などの消化器症状や、咳や呼吸困難などの呼吸器症状が見られます。

※リンパ節の腫れは必ずしも悪性リンパ腫が原因ではありません。細菌やウイルス感染症によっても腫れてきます。むしろ悪性リンパ腫以外の病気であることのほうが多いですが早めに病院を受診し獣医師に確認していただく事をお勧めします。

犬の悪性リンパ腫の進行時の症状

がん細胞の数が多くなってくると犬はだんだん元気さを失っていきます食欲が低下して体重が減っていきます。食事を食べてるのに体重減少が止まらないことがあります。しだいに筋肉まで落ちてきて見るからに痩せ細ってしまう事もあります。

犬の悪性リンパ腫が進行し肺に転移するケースもあります。リンパ腫の肺転移が進むと咳をしたり呼吸が荒くなってくることがあります。胸水が溜まることがあり、そうなると一段と呼吸が苦しくなり犬は辛い思いをします。

腸の付近にリンパ腫細胞が塊を作り、腸が押し潰され「腸閉塞」になることがあります。食事が通らなくなるため、食べたものを吐き出すことがあります。

脾臓が腫れてくることもよくあります。大きくなりすぎて脾臓が裂け、大出血することがあります。この脾臓破裂が起きてしまったら、一刻も早い処置が必要です。

犬のリンパ腫の検査

犬のリンパ腫の治療開始までの、おおまかな検査の流れ

まずは問診(症状の聞き取り)があり、触診や血液検査、エコー、レントゲンにてその原因が探索されます。吐くのであれば胃腸、呼吸が荒ければ肺の状況を知る必要があります。腫れやすい脾臓も観察します。これら臓器については画像検査を行う事になると思います。

最終的な確定診断には、腫れている場所から細胞を抜きとります。もしくは手術により組織を取り出します。切除した組織にがん細胞が含まれているかどうかで診断をつけます。前述の検査でどんなに疑わしくても、悪い細胞がどこからも見つからなければ悪性リンパ腫と確定診断することができません。リンパ腫が確定しなければ抗がん剤治療は開始できません。

見つけたリンパ腫細胞を調べ、高分化型なのか低分化型なのかが判別されます。一般的に高分化型リンパ腫は進行が遅いのですがあまり抗がん剤が効きません。逆に低分化型リンパ腫は進行が早い反面、抗がん剤が効きやすいタイプです。

低分化型リンパ腫は抗癌剤の反応は良いため、一時的に癌が縮小したり体調が改善することは珍しくありません。しかし、低分化型のリンパ腫は極めて進行が速いため、一度縮小して、それこそ画像上で癌が確認できなくなったり(消えたり)、あるいは触診で触れなくなったとしても、すぐに大きく成長してしまいます。

そして抗癌剤に対して薬剤耐性になってしまうと、抗癌剤は効かなくなり、癌は拡がってしまいます。

犬のリンパ腫でも最近は遺伝子検査も行われるようになってきています。治療方針を立てるための検査です。B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫を判別し、どの抗がん剤が効きそうか予測します。

なおCTやMRIといった高度な画像検査は必ずしも必要ではありません。犬にかかる負担も大きいうえに費用も高額です。リンパ腫と診断されてCTやMRIを受けるメリットがあるのかを獣医師にしっかりと確認したうえで必要であれば検査を受けるか検討をされることをお勧めします。

犬のリンパ腫の治療中の検査

犬がリンパ腫のため抗癌剤治療を受けた時、抗がん剤がちゃんと効いているか、副作用の程度はどうなのか、などを調べるために治療中に検査を勧められると思います。過剰な検査は身体の負担になるのでおすすめできませんが、抗癌剤の効果があるのか・ないのかを調べることで無意味な治療を中止したり、犬の体力の限界を超えるような治療を中止するための検査はとても有益です。

犬のリンパ腫の治療

化学療法(抗がん剤治療)-犬のリンパ腫の治療

犬の悪性リンパ腫の一般的な治療法は化学療法、つまりは抗がん剤治療です。

犬のリンパ腫は全身性の血液がんであり、そして抗がん剤が効きやすいタイプのがんです。そのため寛解に持ち込める可能性があるのは化学療法のみです。ステロイドは抗がん剤ではありませんが多用されます。

犬のリンパ腫の治療に用いられる抗がん剤には多くの種類があります。一種類だけを使う場合もありますし、複数の抗がん剤を併用することもあります。

複数の抗がん剤を使用するのは、1つの抗がん剤を大量投与する場合に比べて、効果が高まったり、副作用を分散させるメリットがあるためです。ただしより多くの副作用に対する注意が必要となります。

リンパ腫の場合には『プロトコール』と言って、どの薬剤をどのタイミングで使用するかというマニュアルに沿って行われます。
しかし、抗がん剤が効きにくいタイプのリンパ腫もありますので、その場合は積極的に抗癌剤を使用しないケースもあります。

抗がん剤の使用意義は、あくまでも『腫瘍による諸症状を緩和し、QOL(生活の質)を改善・維持する』ことですが、重篤な副作用がでているにもかかわらず、プロトコールを終えることに焦点をあててしまうことで、命を落としてしまうケースもあります。

抗がん剤治療を行っている間は、ご愛犬のQOLが保たれているか、しっかりと経過を見ることが重要となります。

<抗がん剤のプロトコール・種類について>
リンパ腫は比較的抗がん剤が功を奏することが多い腫瘍ですが、プロトコールをすべて終わらせることに焦点を合わせてしまうと、副作用に気付かなかったり、重篤な副作用が出ているにもかかわらず治療を続けてしまうことで、命を縮めてしまっている子も少なくない印象です。
『人間みたいに強い副作用はないから』と仰る先生もいらっしゃいますが、ワンちゃん・ネコちゃんは話すことが出来ないので、ちょっとした不調を訴えて来ても気付いてあげられない場合もあります。
また、動物さんは本能で『弱いところは見せない=自然界では食べられてしまう)』という思考があるため、耐えられる症状は隠してしまっていることもあります。

抗がん剤の副作用は、投与後3~4日に強く現れることが多いため、食欲や動き(起きている時間やお散歩での体力など)に少しでも変化がないかどうか見てあげてください。

手術(姑息手術)-犬のリンパ腫の治療

手術でリンパ腫細胞を取り切ることは難しいため寛解を目指すことはできませんが、症状緩和には役立つ時があります。例えば腫瘍によって腸管が塞がりかけているとき、それを取り除くことは延命につながります。腫れた脾臓が破裂した場合は出血を止めるための手術が必要です。

他にも首のリンパ節が腫れてきて呼吸しにくい場合は、リンパ節を取り除くことで明らかにQOLが改善することがあります。このような症状軽減が目的の手術は、姑息手術と呼ばれます。

姑息という言葉にネガティブなイメージがあるかもしれませんが、姑息手術は有益で前向きな治療です。

その他の治療法-犬のリンパ腫の治療

悪性リンパ腫の治療には化学療法しかないと信じられていますが、実際には化学療法を補強したり代替する治療法があります。代替するということは、抗がん剤を使用せずに寛解に持ち込むということです。

一般的な常識では「抗がん剤治療以外でリンパ腫を寛解させることは不可能」とされていますが、その常識は誤っていると思います。実際弊社には複数の獣医師から抗がん剤を使わないでリンパ腫が寛解した症例報告を受けています。

抗癌剤治療だけを行うのではなく、治療の一環として代替療法を取り入れている動物病院の話を聞いてみると良いかもしれません。

弊社とお付き合いのある動物病院の中にも代替療法を実施しているところがあります。

コルディ取り扱い動物病院

サプリメント(コルディ)も治療の補強に役立つ可能性があります。抗がん剤の効果を相乗的に高めたり、副作用による免疫システム破壊の軽減も期待できます。

コルディが良く反応してくれれば獣医師が驚くような結果も期待できます。

下は猫リンパ腫の肺レントゲン画像です。抗がん剤を一切使わずに肺をクリアにしています。画像上は寛解と言って良いと思います。
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【参考】リンパ腫の改善例はこちら

犬の悪性リンパ腫の治療中には抗がん剤で体力を落とさないために、そして治療効果を高めるために栄養の摂り方も重要です。食事の工夫はがんの抑制にも大いに役立つと考えています。

【参考】がんの犬猫におすすめする取り組み-低糖質、高タンパク質の食事

そして精神的なアプローチもないがしろにできません。リラックスが免疫機能を向上させ、ストレスが免疫低下を引き起こすことは科学的にも明らかなことです。スキンシップなどで愛情を注いであげてください。手を加えた食事で喜ばせてあげてください。抗がん剤の反応が良くなり、副作用のつらさを取り除く可能性があります。

寛解後の治療

うまく寛解に持ち込めた場合、化学療法を中断して様子を見るのか、そのまま治療を継続するかの判断に迫られます。動物病院によっても考え方が分かれるでしょう。

化学療法を続けたほうが寛解期間を延長できてメリットが多いと思うかもしれませんが、様々な理由からそうとは言い切れません。

とことん抗がん剤を継続投与していた場合、もし再発してしまったときの治療奏効率はガタ落ちになるでしょう。なぜなら効かなくなった抗がん剤は入れ替えなくてはなりません。次の抗がん剤が同じように効く保証はなく、むしろ効きにくいからです。最初にもっとも効果を期待できる抗がん剤を使うのが普通で、二番手、三番手となるにつれ期待は薄くなってきます。

そして抗がん剤を続けていたために体力も免疫力もボロボロとなってしまうでしょう。そのような状況では、当然ながら治療効果をほとんど期待できません。

リンパ腫が再発した時の治療

寛解に持ち込んだ抗がん剤による治療を試みたり、別の抗がん剤に変更したりして、再寛解を狙います。

再び寛解に持ち込めれば良いのですが、実際は簡単ではありません。抗がん剤治療を継続していた場合は前述の理由により治療が困難です。

薬剤耐性獲得といって、リンパ腫細胞はいずれ抗がん剤に対して抵抗するようになってきます。抗がん剤には多くの種類がありますが、タイプ別に分けるとそう多くはありません。同タイプの抗がん剤を使うとき、思ったほどの効果が出ない可能性は十分にあります。

もう抗がん剤の副作用に耐えられる体力が犬に残っていないと判断されれば、積極的な治療は行われないでしょう。残した体力を削ってしまい、延命を望めないどころか寿命を縮めてしまう可能性が高まるからです。

ステロイド剤の投与は継続されるかもしれません。食欲改善・体重増加・体力回復などが期待できます。ステロイドの継続使用には免疫の働きを低下させる懸念がありますが、抗がん剤のような強烈な副作用の心配はありません。

リンパ腫の犬に自宅で出来る食事療法

私たち同様、犬の身体は毎日の食事で作られているため、食事の見直しは体質改善に繋がります。

免疫力を保てるような体作りはもちろんですが、腫瘍細胞に栄養を与えるような食事を食べていたら元も子もありません。
がんの増殖スピードを低下させ、成長させないための食事(低糖質高タンパク)へ切り替えることはとても重要です。

食欲が落ちていて十分量が摂取できない子や、消化吸収能力が落ちている子には、K9ナチュラルのグリーントライプの併用をお勧めしております。

また、腫瘍は『慢性炎症』でもあるため、身体の炎症を取り除くことも重要です。
ステロイドは抗炎症作用を持ちますが、同時に免疫力を低下させてしまいます。

オメガ3脂肪酸であるEPA・DHAは抗炎症作用を持つサプリメントですので、副作用はありません。

日常的に使用して炎症による細胞傷害を抑えることが、腫瘍発生の予防にもつながると考えられます。
弊社では、体内への吸収率が高く、抗酸化作用を持つアスタキサンチンも豊富に含んでいるクリルオイルをお勧めしています。

免疫力を保てるようなお身体になるよう、日々のお食事をまず見直してみてください。

食事療法の目的は、がんの増殖スピードを低下させ、体力をつけ、貧血やアルブミン値などを改善させることです。
弊社では治療のベースとして栄養学的なアプローチを非常に重視しています。

がんが成長するためには糖質(ブドウ糖)が必要です。そのため糖質をできる限り制限していくことは直ぐに始められ、身体への負担もなく、副作用などのリスクもありません。また一方で食事療法はご家庭でご家族の皆様の協力がなければ行うことができません。

魚やお肉、豆腐や納豆などのタンパク質をたっぷりと与えて、その分炭水化物・糖質が多く含まれれているフードの量を減らしていってください。

食事を変えるだけでは癌は治りませんが、悪性リンパ腫の成長に不可欠な糖質を制限することで進行速度を抑えることはできます。フードを与えるだけよりも時間・手間はかかりますが、あまり難しく考えず始めていただければ幸いです。

食事療法のヒント

リンパ腫になったときに是非お勧めしたいのがタンパク質の量を増やし、糖質の量を減らすことです。
ただ食事の準備が大変だと長続きしませんので皆様の手間を少しでも軽減して頂きたく、食材リスト<ペットだって医食同源―がんに負けないための食材>を作成いたしました。ぜひご一読ください。

その他、お食事のヒントになるような記事も掲載しておりますので、こちらも合わせてご一読ください。

ご愛犬がリンパ腫ならコルディをお勧めします

弊社のコルディM/コルディGはワンちゃん、ネコちゃんの免疫を整え病状の改善を目指し開発されたサプリメントです。
犬の悪性リンパ腫の長期生存例、改善例が何例も報告されています。
ご愛犬がリンパ腫と診断されたら、コルディの使用をご検討されてはいかがでしょうか。

コルディのお問い合わせ・ご注文はこちら

治療を通して取り組んで頂きたいこと

悪性リンパ腫は厳しい病気です。低分化型、高分化型、B細胞性、T細胞性と分類の違いはあれども、いずれも難治性のがんです。

抗がん剤治療が有効だと言われている通り、実際に「madisonプロトコール」「CHOPプロトコール」といった有名な臨床試験の成績は極めて優秀です。抗がん剤を使うと決めたら、その恩恵を十二分に受けなくてはなりません。

しかしどうも飼い主様の話を聞いていると、上記プロトコールの恩恵を得られる犬は限られているようです。高齢である、体力がない、合併症がある、など様々な要因により思った効果が得られなくなるためと思われます。

体力がないのに無理やり実施して、副作用のために治療をリタイアするケースも少なくありません。犬は人間ほど副作用が出ないなどと言われますが、それもどうかと思います。犬は喋れないため、吐き気やめまい、しびれなどを訴えることができません。また犬の血液検査値の正常範囲のあいまいさも副作用を少なく見せているかもしれません。

抗がん剤治療の効果を高めつつ、副作用を軽減させるためにコルディをご使用いただく事をお勧めします。本来犬に備わっている免疫力や自然治癒力を高めQOL(生活の質)を維持できる可能性が高まります。

若い犬が抗癌剤の副作用に耐えやすいのは、体力や免疫力に余力があるからです。高齢兼ではそうはいきません。

無治療なら余命は1~2ヶ月」と言われると、つい獣医師にゆだねるしかないと考えてしまいがちですが、飼い主様の取り組みこそが重要なのです。

飼い主様の取り組みは治療効果を大きく左右し、予後に影響を与えます。

「抗癌剤治療を受ければ半年、受けなければ1~2ヶ月」と言われたら、それは抗癌剤が良く効いて、副作用も少なかった時に限る話です。
抗癌剤治療を受ければ必ず延命できるのか、副作用で元気がなくなってしまう事は無いのか、効果は必ず得られるのかなど獣医師に確認されてみることをお勧めします。

抗がん剤治療を開始すれば体力・免疫力はほぼ確実に低下してしまいますので、その対策は考えたほうが良いと思います。まずは良い食事を与え、副作用で治療をリタイアしないための体力をつけてください。そして免疫を落とさないようにしてください。

本来は免疫力ががん抑止の主役であり、実は抗がん剤はその補助にすぎないのです。免疫対策に代替療法やサプリメント(コルディ)を検討してください。

さまざまな治療の「いいとこ取り」に可能性があるのです。抗がん剤一本槍では明らかに力不足です。それを補完する治療を組み合わせていくことが大切だと思います。