犬的癌症
犬の腹腔内リンパ腫ー特徴、治療法、改善のヒント
腹腔内リンパ腫とは?
腹腔内リンパ腫はリンパ腫の一種
犬に発生するリンパ腫とは血液由来のリンパ球が腫瘍化したものです。
リンパ腫は血液に発生する悪性腫瘍、つまり「がん」であり、悪性リンパ腫と言う場合もありますし、単にリンパ腫と言う事もあります。
リンパ腫は犬の癌のなかでも発症例が多いため、ご愛犬がリンパ腫を患い途方に暮れる方も少なくありません。
全身に発生する可能性のある腫瘍で、主に体の中にあるリンパ節から発生しますが、臓器から発生することもあります。
リンパ腫には他の悪性腫瘍のように塊(しこり)を作って進行するタイプもあればリンパ腫は塊(しこり)を作らず進行するものもあります。
リンパ腫は5~10歳の間に発症しやすいと言われていますが、10歳以降のシニアの子からのご相談も多くいただいております。
悪性リンパ腫を発症しやすい犬種には、
・ゴールデンレトリーバー
・ビーグル
・プードル
・シェパード
などが挙げられます。
腫瘍の発生する部位や、腫瘍化する細胞の種類、形態により細分化され、その中で、腹腔内のリンパ節が腫瘍化したものが『腹腔内リンパ腫』といいます。
腹腔内リンパ腫の特徴
腹腔内リンパ腫には、腸間膜に存在するリンパ節の腫瘍化や、消化器型リンパ腫、肝臓リンパ腫なども含まれます。
腫瘍が大きくなるにつれて腹腔内の臓器が圧迫されることで、呼吸器への影響(呼吸促迫、呼吸困難など)や食欲低下、嘔吐などの消化器症状、体重減少などが見られます。
腹腔内リンパ腫の治療法
犬のリンパ腫は抗がん剤に反応しやすいため腹腔内リンパ腫の一般的な治療法は化学療法、つまりは抗がん剤治療になります。
また、ステロイドを使用することも多くなります。
多くのケースで1種類の抗癌剤だけでなく、数種類の抗癌剤を組み合わせた多剤併用療法がおこなわれます。
多剤併用療法のメリットは、特徴の違う抗癌剤を複数組み合わせることで、副作用が偏らないことや効果が高まることが期待できる事です。
リンパ腫の場合には『プロトコール』と言って、どの薬剤をどのタイミングで使用するかというマニュアルに沿って行われますが、抗癌剤の効き難いタイプのリンパ腫や抗癌剤に耐えられる十分な体力がない場合は、抗癌剤治療を使用しない事もあります。
化学療法により、一時寛解に持ち込めたとしても、それはリンパ腫が治ったという事にはなりません。
寛解になったとしても多くのケースで再発してしまいます。
抗がん剤治療を行っている間は、ご愛犬のQOLが保たれているか、しっかりと経過を見ることが重要となります。
「無治療なら余命は1~2ヶ月」と言われると、つい獣医師にゆだねるしかないと考えてしまいがちですが、飼い主様が取り組めることはいくつもありますし、飼い主様の取り組みは治療効果を大きく左右し、予後に影響を与えますので、ぜひ皆様もご愛犬のために何をすれば良いのか考えて頂きたいと思います。
「抗癌剤治療を受ければ半年、受けなければ1~2ヶ月」と言われたら、それは抗癌剤が良く効いて、副作用も少なかった時に限る話です。
抗癌剤治療を受ければ必ず延命できるのか、副作用で元気がなくなってしまう事は無いのか、効果は必ず得られるのかなど獣医師に確認されてみることをお勧めします。
腹腔内リンパ腫の改善方法
食事の見直し
動物病院での治療以外に、ご愛犬の体調を改善する方法として、すぐに取り組んでいただきたいのは、お食事の内容を見直すことです。
リンパ腫はがんの一種で、がんの成長にはブドウ糖が欠かせません。
逆に言えば、ブドウ糖の摂取量を減らせば、癌に栄養が行き難くなり、癌の成長にブレーキがかかりやすくなるのです。
ですから、リンパ腫と戦う体を作るためにお食事の内容を見直し「低炭水化物(低糖質)・高たんぱく」「ビタミン摂取」を心がけて頂きたいのです。
私たちは、フードの成分表示(成分分析値)の「粗たんぱく質」がドッグフードであれば最低でも35%以上、キャットフードであれば最低でも40%以上のものをお選びいただくようお伝えしています。
さらに体の負担を軽くしてあげたいと言うことであれば、完全手作り食にも取り組んでいただければ理想的です。
ただ、お仕事等で完全手作り食はどうしても負担が…ということであれば、高たんぱくのドライフードにお肉やお魚をトッピングするだけでも栄養価はグッと高まります。
K9ナチュラルのグリーントライプを普段のフードにトッピングするのもお勧めです。
腹腔内リンパ腫の予後改善のため免疫を整える
腹腔内リンパ腫と闘うときに最も大切なことは免疫を整えることです。
化学療法(抗癌剤治療)や手術(特に麻酔)は免疫を下げてしまいます。
犬も人間も免疫がしっかりしていなければ様々な病気になってしまいます。
癌についても同じです。
癌は私たちの身体に毎日発生しています。しかし、免疫がしっかりしていれば癌を見つけ出し、攻撃し、癌の成長を阻止することができます。
逆に免疫がしっかりと働かなければ、癌の発生を見逃してしまったり、癌の成長を許してしまいます。
ただし、免疫は高ければ良いと単純には言えません。自己免疫疾患のように過剰免疫も問題になってしまいます。
免疫は低くても高くてもダメなのです。中庸(ちゅうよう)という言葉がありますが、まさに免疫は中庸が大切、バランスが大切なのです。
ご愛犬の免疫システムを成長に戻すための試みとして、コルディをご利用下さい。
コルディをお飲みいただく事で、ご愛犬の免疫がしっかり働いてくれるようになれば、きっと癌との共存も可能になると思います。
腹腔内リンパ腫以外のリンパ腫
犬に発生するリンパ腫は発生する部位により、消化器にできる消化器型リンパ腫や体表にあるリンパ節が腫大するのが特徴的な多中心型リンパ腫、皮膚や口腔粘膜(口の中)に発生する皮膚型リンパ腫、心臓近くに存在する胸腺や、縦隔と呼ばれる左右の肺の間の部分に出来る胸腺型(縦隔型)リンパ腫、そして目、中枢神経系、腎臓などに出来る節外型リンパ腫などに分類されます。