犬的癌症
犬の消化器型リンパ腫ー特徴、治療法、改善のヒント
犬の消化器型リンパ腫について
犬の悪性腫瘍の中でもご相談が多いのが、悪性リンパ腫です。
5~10歳の間に発症しやすいと言われていますが、10歳以降のシニアの子からのご相談も多くいただいております。
悪性リンパ腫を発症しやすい犬種には、
・ゴールデンレトリーバー
・ビーグル
・プードル
・シェパード
などが挙げられます。
悪性リンパ腫には、その部位によって、
・多中心型リンパ腫
・消化器型リンパ腫
・皮膚型リンパ腫
・胸腺型(縦隔型)リンパ腫
・節外型リンパ腫
の5つに分類されます。
犬の場合には、悪性リンパ腫の5%程度が消化器型リンパ腫と言われており、比較的稀なケースです。
(猫の場合には、消化器型リンパ腫であることが多いです)
メスより、オスの発生率のほうが高いと言われています。
悪性リンパ腫についてはこちらをご参照ください。⇒犬の悪性リンパ腫-悪性リンパ腫の克服、QOL改善、延命のために
犬の消化器型リンパ腫の特徴
消化管で腫瘍細胞の増殖や浸潤がおきたり、消化管に付随するリンパ節が腫大するリンパ腫が、消化器型リンパ腫です。
消化器に病変が広がり吸収率が低下するため、下痢や嘔吐、血便などの消化器症状が見られます。
一般的な消化器の症状と混同するような症状のため、発見が難しい場合が多いのが特徴です。
このような消化器症状が長引いたり、お薬でも落ち着かない場合には、レントゲン検査やエコー検査、内視鏡などの画像検査に加え、血液検査で『蛋白分画』を調べてもらうと良いでしょう。
犬の消化器型リンパ腫の検査法・治療法
悪性リンパ腫の確定診断には、腫大している場所から細胞を抜き取る(針生検・バイオプシー)方法と、手術によって組織を取り出す方法があります。
腫大部が大きい場合には、針生検でも十分な細胞を抜き取ることが出来ますが、腫大部が小さいことなどによって細胞が十分量確保できなかった場合には、誤った診断結果が出ることもあります。
リンパ腫が確定しないことには、抗がん剤などの積極的治療は開始できません。
進行が早いが抗がん剤が効きやすい『低分化型』『B細胞性』、進行は遅いが抗がん剤が効きにくい『高分化型』『T細胞性』の分類も重要となります。
リンパ腫の検査法や治療法に関しては、こちらのページをご覧ください。⇒犬の悪性リンパ腫-悪性リンパ腫の克服、QOL改善、延命のために
ご愛犬が消化器型リンパ腫で余命宣告を受けてしまったら
抗癌剤治療を受ける前にご確認頂きたいこと
「無治療なら余命は1~2ヶ月」と言われると、つい獣医師にゆだねるしかないと考えてしまいがちですが、飼い主様の取り組みこそが重要なのです。飼い主様の取り組みは治療効果を大きく左右し、予後に影響を与えます。
「抗癌剤治療を受ければ半年、受けなければ1~2ヶ月」と言われたら、それは抗癌剤が良く効いて、副作用も少なかった時に限る話です。
抗癌剤治療を受ければ必ず延命できるのか、副作用で元気がなくなってしまう事は無いのか、効果は必ず得られるのかなど獣医師に確認されてみることをお勧めします。
抗癌剤治療を受ける・受けないにかかわらず免疫を整える事をお勧めします
抗がん剤治療を開始すれば体力・免疫力はほぼ確実に低下してしまいますので、その対策は考えたほうが良いと思います。まずは良い食事を与え、副作用で治療をリタイアしないための体力をつけてください。そして免疫を落とさないようにしてください。
本来は免疫力ががん抑止の主役であり、実は抗がん剤はその補助にすぎないのです。免疫対策に代替療法やサプリメント(コルディ)を検討してください。
さまざまな治療の「いいとこ取り」に可能性があるのです。抗がん剤一本槍では明らかに力不足です。それを補完する治療を組み合わせていくことが大切だと思います。
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